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[2002/06/11] 三峰川MTB探検記

 20代後半のある年の夏、友人のTと共に南アルプスの山中にキャンプ道具を一式持ってマウンテンバイクで入り込み、そこで4日ほどのんびりしようという計画を立てたことがありました。
 その数年前から、南アルプスの山中を流れる清流、三峰川の奥深くまで車で入り込んで川原でキャンプすると言う事は何度かしていたのですが、それに飽きたらず車では行けないさらなる上流までマウンテンバイクで遡って行き、ひと気が全くない大自然の中でキャンプしながらのんびりしたいと思うようになったのがそのきっかけでした。

 さて、いよいよ計画実行の日がやって来ました。いざ車にマウンテンバイクにキャンプ道具一式、そして4日分のビールを積み込んで三峰川に向かい、林道の最終ゲートのあたりでマウンテンバイクとザックに荷物を積み替えます。
  が、考えてみるとマウンテンバイクを使ったキャンプのツーリングはこれが二人とも初めての事でもあり、準備の時点で早速大問題が発生しました。
 なんと用意した荷物がとても一度では全部積みきれなかったのです。マウンテンバイクの脇のザックにビールをたっぷり詰め込み、そして自分の背中にもキャンプ道具一式入ったザックを背負うと、マウンテンバイクも自分自身も相当に重くなってしまい、これからずーっと続く林道の登り坂をその状態でマウンテンバイクで登って行く事は明らかに無理だったのです。
 仕方なく今日は荷揚げの日と諦め、荷物を2つに分けてキャンプ地と車の間を2回往復する事にしました。
 ゲートを越え、三峰川沿いの林道を必死の思いでたっぷり汗をかきながらペダルをこいで進んでゆきます。
 ゲートから7kmほど上流に行くと営林署のちょっとした建物があるのですが、その近くまで行ったとき私たちの目は視野の片隅になにやら動くものをとらえたのです。ふとそちらを振り向くと、その動くものはなんと2頭のかなり大きな犬だったのです。その時点でまだ犬との距離は200m以上はあったと思いますが、大声で吠えながらその2頭の犬は全速力でこちらに向かって走ってきます。
 私たちは身の危険を感じ、疲れている体にむち打ってペダルを必死でこぐのですが、いかんせん犬のスピードには勝てません。間もなくすぐ後ろから犬のはあはあいう息づかいがしてきて、ああもうダメだ、これで追いつかれたと思った瞬間、飛びつかれるのかと思いきや、犬たちはうれしそうにマウンテンバイクの横を一緒に走っていたのでした。そしてしばらく私たちと一緒に走ってから、また元の方向に走って戻っていきました。
 どうやら営林署は休みらしく、そこで飼われていた?犬が、人がきたのでうれしくて一緒に遊びに来ただけの様でした。

  そこから1kmほど進むと、林道は川から離れて山腹の方に登っていってしまうので、いよいよ川原の道無き道をマウンテンバイクをひきながら進んでゆきます。そして木陰の倒木に三方を囲まれたキャンプ適地を見つけてそこにテントを張り、今日から4日間はここをベースに過ごす事にします。
 体がだいぶ疲れてきているので、出来たらこのまま横になってビール片手にくつろぎたかったのですが、まだ大事なビールの荷揚げが済んでいなかったので、再びマウンテンバイクに乗って出発地点まで戻ります。帰りはほとんどが下りでしたので、来る時は2.5時間位かかった道をものの20分ほどで一気に下ってしまいました。
 車まで戻って残してあった荷物を積み込み、再び長いゆるい登り坂を登っていったのでした。それはもう試練の2時間半でした...。
  三峰川の水ですが、夏でもかなり冷たくてずーっと手を浸けていられないほどです。おかげで川の水で冷やしたビールもきんきんに冷えていて、最高においしかったです。
 夕方、周りの川原からたきぎを集めて飯ごうでご飯を炊きましたが、思い返せばこの頃のキャンプは飯ごうでご飯を炊く事が多かったです。
 その夜はあっと言う間に熟睡できたのは言うまでもありません。

  次の日も天気は快晴でした。
 特にこれと言って予定は立てていない3日間でしたので、午前中からビール片手に木陰の倒木の上に寝転がって持ってきた文庫本を読みます。その中の1冊に「トム・ソーヤーの冒険」もありました(^^)
 今回は夏と自然とビールと本とたっぷりの自由な時間、それだけを楽しみに来たと言っても過言ではありません。夏の太陽が照りつける中、木陰には涼しいそよ風が吹き、直ぐ横から涼しげな三峰川の流れる音がしてきて、そして遠くからはアブラゼミの鳴き声がうるさいほど聞こえてきます。まさにむせかえるような夏の大自然そのものでした。
 午後はキャンプ地から川原をもっと上流まで遡り、ちょっとした探検を楽しみました。
 ただ非常に残念だったのはこの日の夕方からビールが配給制になった事(^^;
 毎日あまりに天気が良くてビールの消費スピードが速く、このペースだと最終日までビールが持たない事が判明したからです。

  3日目。この日も良い天気でした。
 朝、朝食を取った後、テントでうとうととしていると、近くから人の話し声がしてきます。どうやら釣り人が二人、つりをしながら上流に上ってきたようです。
 「おーい、ここにビールがあるぞ!」とうれしそうな声。
 おいおい、それは川で冷やしている私たちの(残り少ない貴重な)ビールなんだぞと言おうとしたら、向こう岸にいる釣り人が倒木の後ろにある私たちのテントに気づいたようで、こちら岸にいる連れに手で合図を送っているのが見えました。
 久しぶりに他の人に会いましたが、この4日間で他の人にあったのはこの2人だけだったような気がします。
 午後は林道をマウンテンバイクでもう少し奥まで行ってみたり、覚悟を決めて川のちょっと深くなっているところで泳いでみたりしてみました。さすがに川の水は冷たすぎて30秒程度しか入っていられませんでした。

 そんなこんなであっと言う間に最終日の4日目となり、4日目はお昼頃までのんびりしてから撤収し帰途についたのでした。
 特に何をしたと言う事もない4日間でしたが、とにかく4日間毎日が自然と共にあり、ビールと文庫本とちょっとした冒険と、そして何より自分達のたっぷりの自由な時間を過ごす事が出来たと言う事で、心の底から充実していたぜいたくな4日間でした。